バンドソーの使用に際して私が行っている便利化をご紹介します。
愛機IS-BC100。近所のホームセンターで買いました。掃除もしない状態で小汚くて恐縮ですが、あえてヤラセなしの状態をご覧に入れますw
●設置
機械をどこに置くかは悩ましい問題です。そして切り粉が出ますからそれを受けたり、掃除したりの問題もあります。それを一気に解決するのが以下の方法です。
ベニヤでトレーを作って、キャスターも付けてそこに設置します。こうすれば邪魔なら移動できますし、切り粉や切断した物がすべてここに収まるので部品がどこぞやに飛んで行ったり、いちいち掃除をする必要がありません。
自慢になりませんが掃除をするのは数年に一度です。それさえしなくても数十年は溢れたりしないでしょう。
治具を入れておく箱もトレーに一緒に置いてます。
ちなみにこのトレー、やけに年期が入っていますがバンドソー以前より使っているもので、以前は高速切断機が収まっていました。バンドソーの導入により高速切断機は引退しました。一度も使用していません。
高速切断機で実際苦になって仕方なかった騒音も舞い上がる粉塵も無く、刃物の幅も薄く、切断だけでなくフライス作業に先立つ荒取りなどにも使っています。荒取りなどは高速切断機では出来ない事です(やる気にもならない)。バンドソー最高!
しかし、本当に粉塵が出ないのか?掃除をさぼってもいいのか?本当か?と思う方は当然おられましょう。
ちょっとS45Cをテストカットしてご説明しましょう。水色の矢印が切り粉の軌跡です。ご覧のようにバンドソーの切り粉は綺麗な弧を描いてハラハラと一点に落下します。この切り粉の小山こそが飛散が無い事の証明です。あえて掃除をしない写真を掲載したのはこれをご覧頂きたかったからです。
まあ床に直置きしたらちょっと問題ありですが、トレーに据えればなんの問題もありません。
高速切断機は砥石の粉が粉塵として出ます。また、切り粉そのものも細かく、投射速度についても非常に速いので、例えついたてを立てても周囲への飛散は避けられません。以前使っていた時は実際非常に悩ましいものでした。工作が嫌いになるくらい苦になる事でした。
しかしバンドソーでは砥石由来の粉塵は当然存在しません。そしてバンドソーのノコクズは有る程度の大きさがありますし、走行速度が遅い事から投射速度も当然遅く、したがって切り粉の飛散はありません。
つまるところトレーに据えれば切り粉は実際全て回収する事が出来、作業者や周辺を汚染することはまったく無く、掃除の手間さえありません。もうなんたる事かと。
さて、ちょっとトレーから切断クズを拾ってみました。鋳鉄、炭素鋼、真鍮、アルミ、金具、ネジ、プラスチック、ライニングパイプ、なんでも切っています。
バンドソーを導入してからは、工程上やむなき場合を除いて旋盤で突っ切りもしなくなりました。丸棒と六角棒は旋盤で削ったものから品を切り取った掴み代の方です。
また、バンドソーではかなりの薄切りも可能です(上のテストカットでは3mm位ですがまったく余裕です)。
●把握
バンドソーの内蔵クランプは小物を掴む事がまったく出来ません。そこで通常の小型バイスを据え付ける事で非常に便利になります。
クランプがしっかりと把握できる大きさの板にアングルバイスを固定しています。
アングルバイスとしたのは斜めに切断すべき材料が有る事(ノコ歯に対する配慮)と、荒取りに使う場合に斜めに切れると便利だからです。
どこにも引っかかったりぶつかったりしないよううまく逃げた場所を考慮する必要はあります。このバイスもベースを小さく切りつめています。もちろんこのバンドソーで切断しました。鋳鉄バイスの切断など実にたやすいことです。
本体に付いていた取っ手はバイスにぶつかるので撤去してあります。過般式トレーに設置した事で本体を持ち歩く必要が無くなっていますのでなんら問題ありません。
当然ですが、このバイスは簡単に撤去出来るので大物を普通に内蔵クランプで掴む事ももちろん出来ます。
●落下防止装置
バイスを追加した事で高い所で切断する事になり、そのままだと切断後にかなりの高さから落下する事になります。
良いことではないのと、アングルバイスには出っ張った部分があり、切断後にバイス上に落下して歯を欠いたり切り込んだりするのを防止する必要があります。
このような可変式のストッパーを付けました。材料はハタガネです。
ただし切断終了位置が可変するということは、内蔵の自動停止装置は当然それにあわせていちいち再調整する必要があるという事でもあります。
私は別に切断後に即座に電源が切れなくても大きな問題を感じないので、自動停止装置はいちいち調整せずにフリーランで使っています。
騒音についてですが、バンドソー(この場合は私が使っているIS-BC100)の騒音は工作機の中でもかなり小さい方です。機械音としてはボール盤に近いと思います。切断音は連続音ではありますが、音質音量は手ノコから出る騒音とそう大差を感じません。
●加重
IS-BC100には切断加重の調整装置が付いていますが、あまり真面目に調整した事がありません。
加重は数cm以上の丸棒用(L/M/HのH)にセットして、薄物や細物については手でハンドルを持って力を添える事で加重を軽くしています。これらは刃を降ろすやいなや切断されてしまいます。切り始めに刃を降ろすのは自動ではなく手でそっと降ろすのですから、その延長で手で加重を加減するのは作業の合理性を損なうものではありません。
以上です。
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