K800で現在までに発生したトラブルとか
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●目次

●スライサーソフトの選択(造形物が糸だらけになる不具合)
●サーミスタハーネスの不良
●フィラメントが詰まる
●リミットスイッチ不良
●ホットエンドから樹脂がにじむ
●造形ベッドがずれる
●エクストルーダーのアイドラーアームが粉砕

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●スライサーソフトの選択(造形物が糸だらけになる不具合)

Repetier-HostにはSlic3rとCuraEngimeという2種類のスライサーソフトがプリインストールされていますが、どちらがいいのでしょうか。
私は最初、メニューの最初に現れるSlic3rを使っていました。しかしプリント結果に不具合を感じる中で色々試すうち、ふとCuraEngime使ったら非常によいプリント結果が得られました。

設定の詰めが甘いだけかもしれませんが、少なくとも私のような3Dプリンタード素人が初期状態に近い所でうまくプリント出来るのは、私の環境ではCuraEngineでした。
どこが違うのかと言うと、内径の内側を跨ぐように移動するようなパスを生成するかどうかが一番大きく違います。



これはSlic3rでスライスした結果です。フィラメントの詰まり(ホットエンドの冷却不良)で最後までプリントできなかったものですが、外壁は継ぎ目以外は綺麗ですが、内壁(ネジになっている)が非常に荒れています。これでは内径になにか収まる部品の場合は収まりませんし、ネジはまったくねじ込めないクオリティーです。
原因は、内壁をぐるっと描いた後に、ヘッドが内側の空洞になる部分を通って他の所に移動するからです。
試しに私が最初に買ったこの樹脂は色々設定をいじっても"切れ"があまり良くないようで、空洞部にパスが出ると、そこでツノや糸が内側に飛び出す事になり、これが荒れになるのです。実際、外壁から外側に向かってパスが飛び出す事はありませんから、外壁側は綺麗に造形されています。



そしてこちらがCuraEngineです。冷却ファンになにやら色々貼ってありますが、CuraEngineに行き着くまでに色々対策していたからです。いずれにしろ明かにこちらの方が綺麗にプリントされています。これならなんの問題もない。
Infill内部を観察するとツノや糸が封じ込められており、これらが無くなったわけでは無いのですが、それが外面に出ないようなパスを描いています。

これは単純にCuraEngineの方が優秀なパスを生成していると言っていいでしょう(しつこいようですが、これは一般論ではなく、私にとってはという事です)。

それとCuraEngineの方がInfillと外壁の接着が入念のようです。斜めに積層される外壁に対してInfillが接着する部分で、ブルブルっとヘッドが震えてしっかりと接着するので外壁が崩れにくく強度も高そうです(垂直の外壁に対しては普通にイモ付けします)。

また、スライス前にプリセットの設定の一部をいじるのが簡単な気がしました。

■■

ルークですが左がSlic3r、右がCuraEngime。
Slic3rのはK800完成後出力3つめの記念物です。外側いいのですが、はやり内部に糸が多く、この辺りからこれはなんとか改善すべきだと思い始めたのでした。


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●サーミスタハーネスの不良

完成後のテスト出力3個目で遭遇した不具合です。



造形途中で突然にホットエンドの調温が乱れ出し、造形物の表面もそれに対応して悪くなりました。造形はなんとかフィニッシュできたのですが、原因がわかりません。



造形直後にホットエンドに通電してみましたが正常に調温されています。ますます解りません。
造形中にMarlinになにか(ソフトウェアの処理)が詰まって調温に手が回らなくなったのでしょうか。
わけが解らないのでホットエンドを切って他の作業をしていました。



すると突然、室温が乱れ始めました。これは明かにサーミスタの接触不良です。
早速サーミスタ関連のハーネスを揺すってみると症状が再現します。どうやらコネクターが原因のようなので、接点をハウジングから抜いてみました。



圧着がまともに行われていません。専用工具はもちろん、圧着ペンチを使ったのかどうかも怪しいレベルです。どうやったらこうなるのでしょうか、ラジオペンチで左右から摘んだのか。せめて折り曲げて(畳んで)くれればまだましでした。
毒を食らわばなんとか、コネクターは取り替えずに再利用する事にして、慎重にハンダ付けしました。接点の方(写真の右側)にハンダが回るとアウトなので気をつけます。
これで一安心、と思ったのもつかの間、頻度はそれほどではありませんが、温度ログにチラッ、チラッとスパイクがまだ出ます。うーんこれは反対側も怪しい。
というわけで引っ張ってみたところ…



抜けましたw サーミスタ側に予備ハンダが行われていないようです。このサーミスタハーネスを製造した作業所はまともな工具が無く、工員もド素人ですな。

サーミスタは調温のキモなのでここの信頼性は重要です。造形物の品質に直結しますし、なにより調温が外れたら危険です。まあ完全に断線した場合はMarlinが感知して止まりますが。
サーミスタハーネスは組み込む前に各部をリファイン(接続品質の確認)した方がよいでしょう。


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●フィラメントが詰まる

最初にテストで樹脂を押し出している時点からエクストルーダーがたまにカリッと言って送りが飛ぶ事がありました。チューブの中を見ると3cmに1カ所くらい送りギアの食い込みが飛んで白くなっているのが見えている状態でした。
そしてそのうち、ホットエンドをがっちり組み立てようと、ホットエンドとコールドサイドの間にナットを入れて組み付けたところ、フィラメントが詰まりまくるようになりました。

本来、ヘッド部分はヒーターで加熱されている部分と、加熱されていない部分がスパッと分かれていないといけないようです。半端に加熱されている部分があると、半端に柔らかくなった樹脂が変形して通路に密着するのですが、流動性は無いので送り抵抗が大きくなり、詰まってしまうというわけです。

このキットではコールドサイド(ヒートシンク)を冷却するファンは固定の方策さえ考えられていない状態で、メーカーの写真を見てもぶらぶらとぶら下がっている写真さえ有る位です。そんなわけでなんも知らなかった私は適当に考えていたのですが、これがいけなかった。
しかもあろうことか私はホットエンドとコールドサイドを熱的に隔絶している首の部分にナットを入れてがっちり結合したために、熱的にも結合してさらに状態が悪い方向に行ってしまいました。

というわけで、ヒートシンクをがっちり冷却する方向にモデファイします。



ファンを取り付けるブラケットと、シュラウドを作りました。

プリント部品で作る手もありますが、私は板金で作った方が簡単なのでトタン板で作りました。 なお、シュラウドがヒートシンクの上の端を覆っていないのはあまり良くありませんでしたね。
空気は抵抗の無い部分を通るので風のかなりの部分がこの穴から吹き出すはずです。重点的に冷却すべきはヒーターに近いヒートシンクの下の方なので、上の穴は塞がれていた方がいい。
というわけで私はあとで簡単にテープを貼ってふさぎましたが、型紙は修正済です。ただ、これをトタン板で作るのは私は問題ないですが、きつい人もおられるでしょう。まあその辺は適宜好きにしれw

シュラウドを付けてからはフィラメントの詰まりは発生していません。


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●リミットスイッチ不良

動かしはじめて数日もしないうちに突然リミットスイッチの1つが不良になりました。
ノーマリーオンのはずが、導通がなくなってしまい、常時リミットを検出と判定するので動かなくなってしまいました。ノーマリーオフの接点は生きていますので内部接点が外れた等の機械的故障ではなさそうです。



蓋をあけて接点を観察したところ、なにかは解りませんがなにかが接点についています。
スイッチはオムロンのSS-5GLです。最初は粗悪な偽物である事を疑いましたが、子細に観察してもどうも本物のように見えます。

あと考えられるのは微少電力用では無い事か。メーカーのデーターシートによれば、5Vで使う場合は160mA以上流す事が推奨されています。これ以下では接点に付いた酸化物などをスパークによって吹き飛ばす作用が働かなくなるからです。
しかし、おそらくは100回もカチカチしていないと思うのですが、そんなに早くだめになるものだろうか。いかに動作条件が推奨範囲でないと言っても1000万回の寿命が有るスイッチだと言うのに。

解りませんが、とにかく交換しました。ただ、付いていたのはマレーシア製造でしたが、同じ品の日本製造のものを付けました(3つとも)。その後問題は出ていません。


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●ホットエンドから樹脂がにじむ



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●造形ベッドがずれる

造形ベッドはきちんと固定しないといけません。
3Dプリンターは樹脂を置いて行くだけですから、CNCミーリングマシンのような各部に大きな負荷がかかる事は無いはずです。しかし、実際には積層の継ぎ目などに盛り上がりが出来ていると、そこにヘッドの先がぶつかって衝撃が発生する事があります。その際にあまりに固定が弱いとベッドがずれる事があるのです。

これはクランプを工夫する事で解決しました。造形ベッドの固定についてキットではなにも工夫されていませんが、これは必須です。


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●エクストルーダーのアイドラーアームが粉砕

 完成から約1月、造形しようとしたらフィラメントが送られなくなり、よく解らずスプリングのテンションを増そうとしたらぐにゅりと崩れてしまいました。



 原因は、ベアリングを止めるボルトのストレスから亀裂が広がったものです。PS樹脂はストレスをかけておくと、こういうゆっくり進行する亀裂が起きやすいですね。少なくともねじ穴にタップをかけておかないと確実に壊れます。
  3Dプリンターは自己修復できるような事が言われていますが、この部品無しでは無理ですので、なんとか接着剤で補修してこの部品の複製だけは作らねばなりません。

 このエクストルーダーはThingiverseにある[Compact Bowden Extruder, direct drive 1.75mm]だと2chに書いてありましたので、これをもらってきてプリントします。



 使い勝手としては、フィラメントのセットの時にちょっとアームを上げられるとセットしやすいと思っていましたので、指掛けを追加しました。あと、本体はいらないので、module compact_extruder(){ から } をコメントアウトします。



 強度が必要な部品なのでInfillは100%、小さい部品ですが50mm/secの低速でプリントする事でやや溶け気味に造形しました(別に溶け落ちてはいません)。出来上がった部品は普段より透明感が出て強固に融合出来たように思います。プリント時間は約8分。

 なんとか事なきを得て、使い勝手も向上しました。
 アイドラーのテンションを抜く事が出来ると、手でフィラメントをすいすい押し込む事が出来るので、フィラメントの交換も楽です。テンションを抜かずにフィラメントを押し込むと、気をつけないとフィラメントが折れるので最初以外はモータードライブで送るのですが、これがたいして早くないのでちょっとジリジリするのです。


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